毎年この時期に、生菓子のご注文をいただく所があります。
京都府立植物園の園芸倶楽部様からです。
この時期の生菓子のデザインについては、良い意味で色々と考えさせられます。
というのは和菓子の意匠(デザイン)は基本的に、花鳥風月を題材に作られるものが多いのですが、この時期については、なかなかそれに値するものが見当たらないからです。
例えば、春には桜に代表されるような華やかな雰囲気の生菓子や、夏には葛や寒天を使った涼しげな水菓子、秋には鮮やかな紅葉をイメージしたお菓子など・・・
紅葉が過ぎれば、やはり、これから来るクリスマスに気分が行きます。
その間に作る、和生菓子と言えば・・・・初霜や初雪に関するものが多いですが、今回は
あえてデザイン抜きにして、この時期に美味しい柚子を使って、お饅頭を作ろうと思いました。上用饅頭は和菓子の基本でもありますので。
上の写真は「柚子上用饅頭」です。生地に柚子の皮を擦って練りこみ、中には、風味良い丹波大納言の粒餡。 饅頭の上に柚子皮を小さく切って乗せ、鉄板で少し焼き目を付けてみました。
お蔭様で、何とか好評をいただき安心しました。
ご注文をいただき→考えて作り→喜ばれる。 本当に有難く、また嬉しいことです。
店主・八木