毎年、この季節になると店頭にあるタチバナの花が咲き始めます。
あまり一般的な花ではありませんが、
日本に古くから野生していた日本固有のカンキツだそうで、
咲けばとても良い香りがします。
古事記には、垂仁天皇が田道間守(たじまもりのみこと)を、
常世の国に遣わして
「非時香菓(ときじくのかぐのこのみ)」と呼ばれる
不老不死の力を持った霊薬を持ち帰らせたという話が記されていますが、
これがタチバナの実であり、和菓子のルーツだとされています。
また古今和歌集にある
「五月待つ花橘の香をかげば昔の人の袖の香ぞする」
以降、タチバナは昔の恋人への心情と結び付けて詠まれることになったそうです。