葵祭も終わり、初夏らしい天気が続きます。
上のお菓子は一般に「若鮎」と呼ばれますが、中には
「調布(ちょうふ)」を下さいと言われるお客様もおられます。
調布とは、主に小麦粉と卵と砂糖で作った生地を、熱した鉄板の上で薄くのばして焼き、
求肥(ぎゅうひ)と呼ばれるお餅をくるんだ菓子です。
若鮎の元とも思われる、この調布の名の由来は、はるか昔の律令制時代にさかのぼります。
この時代の税制は租庸調(そようちょう)と呼ばれますが、
租=米、庸=労役、調=布類、と簡単に考えれば良いのでしょうか。
柔らかい餅を、食べられる甘い生地で巻いて“調”に見立てる・・・
いかにも、お菓子屋らしい可笑しな発想です。